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jorro

雨露の如し

トレモロ 私見

次は、何を書こうかな。と呟いたら、

「ラッドかな。。」

というリプライをもらったので、RADWIMPSといえば以前から気になってた『トレモロ』を2回目に選びます。
アルバムは、「RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜」です。

前回はとても長くなってしまったので、もうちょっとコンパクトにできるよう努力します。笑
ではいってみましょう!

トレモロ

まずタイトルにもなっている、『トレモロ』という言葉についてご存知でしょうか。
これは、ギターをやっていたら聞いたことがあるかもしれませんね。

トレモロとは

トレモロ(伊: tremolo)は、単一の高さの音を連続して小刻みに演奏する技法、ならびに複数の高さの音を交互に小刻みに演奏する技法である。
...
小刻みに発音を繰り返すことにより、あたかも音が持続しているかのような印象を与えることができる。
特殊な例としては、銅鑼は、単音では大きな音を得ることが困難である。そのため、トレモロによって少しずつ音量を増してゆくという手法が採られる。
 
トレモロ - Wikipedia

つまり、長い一つの音を表現する際に、長く鳴らすのではなく、短く連続で鳴らして、音の粒を保つ、もしくは増幅させる奏法ですね。

ギター特にエレキは、音を長く太く鳴らすことができるのであまり見られない奏法です。
ちなみに、「トレモロ」では、トレモロ奏法は使われておりません。笑
なんやねん。

知らない人はイメージしにくいでしょうか。実際聴くと、どんな感じでしょうか?

虹 / ELLEGARDEN


ELLEGARDEN - 虹 【歌詞】

  • 2:03から始まるギターソロ。

小さな頃から / JUDY AND MARY


Judy And Mary 小さな頃から Warp Tour Final Live

  • 2:58から始まるギターソロ。

どちらも好きな曲から選びました!

それでは歌詞の方を見ていきます。

満天の空、君の声

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満天の空に君の声が響いてもいいような綺麗な夜
悲しみが悲しみで終わらぬよう せめて地球は周ってみせた
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

「満天の空」は、星でいっぱいの夜空を表します。
「君の声が響いてもいいような」ということは、君の声が響いて欲しいと思うけれども、実際には響いていません
『星』というと、過去からきている光ですので、「輝かしく、楽しかった思い出」とイメージできます。

ここまでは、「静かで星が綺麗な夜は、楽しかったことを思い出してしまい、寂しくなって君の声が聴きたくなる」ということになりますが・・・

「悲しみが悲しみで終わらぬよう」とあるので、今現在は悲しく、しかもこのままだとずっと悲しいままかもしれないという不安が見え隠れします。

地球が周るということは、公転することであり、時が経つことです。

つまり「僕」は、「せめて=最低限」、時間に身を任せることを選んだのでしょう。

よって、ここまででも何となく、『「僕」と「君」はもう別れた後で、「僕」はその別れを受け入れられずに悲しいままでいる』ということが考えられます。

笑ってみせた

本当に伝えたい想いだけはうまく伝わらないようにできてた
そのもどかしさに抱かれぬよう せめて僕は笑ってみせた
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

この部分は、非常に「若さ」を感じます。

「だけ」とあるように、「本当に伝えたい想い」以外は全て伝わってしまったのでしょう。どうでもいいことや、伝えたくなかった本音。素直じゃなかったんですかね。
そして、うまく伝えられなかったという事実はある訳ですが、「そういうもんだったから、仕方がない」というように結論付けています。
何が悪かったのか分からないけど、最低限笑って受け入れた気でいよう。

『僕は悪くない』と言ったところでしょうか。

君も望んでる

「何もないんだってここには」って笑ってる君も望んでる
そんな声もかき消すほどに 膨れるこの万象を
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

「君」はもう素っ気ない感じですね。

「僕」と「君」の会話ととれますから、「ここ」とは、共有できる場所だと言えます。
「何もない」と笑うということは、自虐かはたまた呆れか、というイメージを抱きます。
すなはち、「ここ」とは、『二人の辿り着いた地』だと思われます。「君」は「僕」とのこれ以上の進展は望めないと思っているのでしょう。

「膨れるこの万象」とは一体なんでしょうか。万象は、この世の形あるもの全て。
つまり、生きれば生きるほど、未来を思えば思うほど、「君」にとっての万象は増えていく。色んな出会いがある。
「君」は、「君」にとっての僕たちの軌跡が、夢のように膨らむ未来の万象に悉く掻き消されていくことを望むんですね。

簡単に言ってしまえば、「あなたとの関係はもういいの。これから待つ未来の方が楽しそうだもの」といったところでしょうか。

僕も望んでる

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「意味はないんだって僕には」って叫んでる僕も望んでる
無味を悟る その先に浮かぶ光の粒を
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

「君」と比べると、「僕」は苦しそうです。

『「君」との関係をこれ以上続けても、意味はないんだ!と、思いたい・・・』 というような葛藤に苦しんでいる「僕」が見えます。

さて「無味を悟る」とは、一体なんでしょう。
例えば、こういった感覚でしょうか。

飴ちゃんを嘗めてたけど、だんだん味が失くなってきた。
・・・もうほとんど味がしないけど、まだ溶けずに残っている。
きっと、嘗め続けることに意味があるんだ・・・。

そうやって耐えて、続けていればきっと、見えてくる希望があるはずなんだと思いたいし、望んでいるのでしょう。

未練があるんですね。

心にもないこと

最近は映画の見すぎで奇跡も珍しくなくなったね
心にもないことでもすらすら言えるようになったよ
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

なぜ、映画を見すぎているのでしょうか。それは現実逃避や、自分以外の物語に答えを求めた結果でしょう。

「心にもないこと」とは、映画で得たような「他人の答え」だと思われます。自分自身で出していない結論・答え。
そしてそれが「言えるようになった」と言っているので、これまで「君」へ言えなかった「本当に伝えたい想い」ではないかと思い込んでいるようです。

真実

ほら 僕が僕から離れてく そんなことさえも忘れたくなる
「真実とはねそれだけで美しいんだ」と 言って
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

でもやっぱり、「他人の答え」では、違和感しかなく正しいとは思えない。
しかし、「他人の答え」にすがらないといけないくらいに、なぜ「本当に伝えたい想いが伝わらなかったのか」が解らなくなっています。

「言って」とは「言って欲しい」という意であり、誰に言って欲しいかと言えば、「僕」自身に言って欲しいと言えます。
直前で出てきている「映画」「心にもないこと」「僕が僕から離れていく」ことは真実ではありません。
つまり、「真実」とは、僕と君が別れたことであり、そしてその原因や答えを導き出せずにいる現状のことだと思われます。
「僕」はもう、後悔することに疲れてしまった、だから「僕自身」に「真実は真実のままでいい、美しいということにしよう」と許して欲しいのでしょう。

満天の空に君の声が響いてもいいような綺麗な夜
悲しみが悲しみで終わると疑わぬように 神様は僕に 夢を見させた
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

未練がましく、未だに「君」のことをひきずる「僕」の夜。
しかし、その日々と決別する出来事が起こります。「悲しみは悲しみ以外のものに昇華できないまま、ずっとひきずっていくのだろうか」と不安になりそうだった矢先 のことです。
「僕」に「神様が夢を見させた」「奇跡が起きた」

ページ

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今開いていたページの上に描いてみようかな
「離さないよ 繋いでたいの 僕は僕の手を」
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

ページというと本であることがわかります。本には物語があります。つまり、「僕」は僕の物語の今を上書きしようと思い始めています。
なぜそう思ったのかといえば、「ページの上に描く」という描写の通り、新しい出会い=奇跡があったからと捉えられます。
「僕は僕の手を離さない」とあるように、僕は僕のことを見捨てない。裏切らない。信じてみよう。そういった意志を感じます。

景色

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今止まっていた景色が動き出した気がしたんだよ
ほら 僕の鼓動も確かに刻み始めた4拍子
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

「僕」は新たに恋をします。そして停滞していた気持ちが一気に加速して進み始めます。
「4拍子」とは、つまり「ロック」のことを指します。
ロックの定義は無いに等しいですし、人によって違いますし、ましてや洋次郎さんのロックがどんな想いを指すのかはわかりませんが、大枠としては「反抗の気持ち」「自由」ということになるのでしょう。 「僕」は過去に相反して生き始める。自由に生き始める。

不器用

不器用な僕も描き出してみるよ 終わりに向かってゆく明日を
笑って迎える意味を
 
トレモロ - RADWIMPS / 野田洋次郎

「僕」は自分のことを「不器用」と評価しています。それは、これまでの流れで十分にイメージできます。そして、不器用なまま新たに進もうとしていますね。
「君」との過去を過去として再定義し、「君」との本当の別れを前向きに捉え始めます。
そうやって「僕」は昔の恋を忘れて、新たな「恋」に進んでいくことを決意していきます。
 
 

トレモロの意味

さて、歌詞を全部攫ってみましたが、私はこの歌詞にでてくる「僕」の物語には、一つのメッセージがあると思いました。そしてそれはタイトルである「トレモロ」が表現していると思います。
そのメッセージとは、決して前向きなものではなく、むしろ警鐘のようなものであると考えます。
 
さて、皆さんは、この「僕」の物語を通して、「僕」は成長することができたと思えますか?
この物語の「僕」は、「君」との別れの真実の理由を見つけることなく、次の恋に進み始めていっているように見えます。
「僕」の恋の終わりと始まりの間で、「僕」はずっと同じままなのです。

きっと「僕」はこの新たな恋でも同じ事を繰り返すのでしょう。

そして、トレモロの意味とは、最初に取り上げたように「同音反復」です。
同じ音を繰り返しているのです。同じ音を繰り返して、表現するのは一つの音階・音程の長音です。トレモロとは、一つの音程だけで見れば、ずっと同じ音しか鳴らしていないのです。

つまり、
『一つの恋が終わって、後悔し反省するのであれば、その物語の悪かったところ(真実)を見つけなければならない。寂しく悲しい想いをしているのであれば尚更に。
さもないと、あなたはずっと同じ恋を続け、単調な物語を描くことになってしまいますよ。』

と。

私の少ない経験からでも、全くその通りだと思いますね。
ただ、真実を見つけたら見つけたで、落ち込んで起き上がれないこともありますがね(笑)
色んな音を奏でられるようになりたいものです。
 

※写真素材は「photo AC」のものを利用しています。